2009/12/19

足立区に物申すの巻

どーも、僕です。

今日は足立区に物申す!ってことで、まずはこちらの記事をどうぞ。
東京・足立区:「治安ワースト1」返上だ 清掃、パトロール…NY手本に本腰

この記事を見て真っ先に思い出したのは2年前くらいに読んだ本「ヤバい経済学」です。この本には、このニューヨーク市の警察本部長ブラットンさんがとった方策、割れ窓理論を元にした犯罪を減らすためのプログラムについて書かれているのです。この割れ窓理論とは、軽い迷惑ぐらいのことでも放っておくとそのうち大きな迷惑に発展するという理論です。

ただこの本が指摘しているのは、ニューヨーク市の犯罪低下率が著しかった直接の理由はこの割れ窓理論を適用したせいではないというところです。この当時、ニューヨークの犯罪率の低下が73.6%と驚異的な数字をたたき出していますが、この本の指摘では、この方策を適用する数年前から犯罪率はすでに減少していたらしく、適用前にすでに20%くらいは減少していたようです。では何が本当の犯罪率減少の要因だったのか?それは単純に警察の数、増員による効果のようです。1991年から2001年の間にNYPDの人員は45%増えたようです。この数字は全国平均の3倍を超えているらしく、この警察の増員による効果を差し引くと、ニューヨーク市の犯罪率低下は特別目立った数字ではなくなってしまうようです。

この本の作者は「彼の戦略がどんな犯罪にも聞く万能薬だという彼やマスコミの言い分には開いた口がふさがらないほど根拠がない」と言っています。その証拠に、ブラットンさんが2002年の後半にロサンゼルスの警察本部長になったとき、どれだけの効果を発揮したか?ということを見れば自明のようです。結局ブラットンさんがとった行動はお金を集めて警察官を増員することだったとか。

結局何が言いたいかというと、足立区は原因と結果の因果関係をきちんと調べることすらしないで税金を投入するんだなっていう、浅はかな行動にあきれてしまうということです。割れ窓理論がどれほど効果があるのでしょうか?単純に警視庁にお願いして足立区に配置される警察官の数を増やせばいいわけで、割れ窓理論を適用する必要はないような。ただ足立区の目標、犯罪を減らすこと、イメージアップを図ることがあるようですが、イメージアップには一役買いそうですね。

きっと、世の中には相関があるからとかだけで決定されていることってたくさんあるのでしょうね。そしてそこに大金が注ぎ込まれる。特に行政において多い気がします。最近よく思うのはいかに世の中が適当に回っているかということです。いいかげんでも世の中は成り立つようですね。

僕の参考文献的なものはこの本だけですから、この本が正しいと証明できるものはありませんが、もし割れ窓理論を適用するなら、この本に書いてあることに反論できるだけの数字と理論を準備するくらいのことを足立区はしてもいいのでは?なんて思ってしまいました。きっと”忙しい”からそんなことする時間はないのでしょうね。

8 件のコメント:

aja さんのコメント...

私の率直な感想を言えば、割れ窓理論と警官増員は背反でなく同じことを言ってるんじゃない?軽い犯罪をほおっておかないってことは、警官増員することではないの?

割れ窓理論と犯罪率低下を結びつけることは、それ自体が間違いなのではなくて、割れ窓理論では実際に何をすべきか示されていないっていう、最終的な文章の書き方が悪いってことなんじゃないかな。

と思いました。

jun さんのコメント...

僕の観点では、警察の増員をしなくても割れ窓理論の適用は可能では?と思うのですがどうでしょう?

だから、増員をすると自ずと割れ窓理論を適用するような効果はあるだろうけど、他の効果もあるだろうから、割れ窓理論が効いているかどうかはわからないのでは?と思うのですが。

jun さんのコメント...

例えば、駐車禁止の取締りを厳しくすれば、違反駐車は減少するだろうけど、これは割れ窓理論のせいではなく、”罰金”という別のファクターによって減少するのではと。理論でいうところの他の駐車違反をしている人がいないからという理由で違反をしないのか?と比べると罰金ファクターの方が遥かに影響をあたえてるのでは?と思うのです。もし違反してもおとがめが何もなければ、取締りを厳しくしても決して駐車違反は減らない気がします。

jun さんのコメント...

結局は、足立区が何に注目しているかってところですかね。ただ単にニューヨークで上手く効果をあげたから、じゃあ打ちも同じ方法でっていうのなら失敗しそうだし、犯罪を減少させる本質が分かっていれば、大丈夫だろうし。

僕はただ単に真似しただけでないことを願っているだけです。

aja さんのコメント...

そうそう。割れ窓理論ってラベルが付いて、かっこいいけど、実際何をするのかが分からない。足立区が単なる名前だけで採用しているのではないと、願いたいですね。
単なるスローガンじゃん!みたいな。

スローガンといえば、Tくば市の警察署にはいつも画期的な立て看板が立ってたね。
#Jリーグが始まったら、”キックオフ大作戦”とか。

で、私は、日本人は割りと周りの目も気にするのでは?と思ったり。ごみが落ちてないところでは、ポイ捨てできないよね。TDRとか。

結局のところ、犯罪低下には何のファクターが一番効くのかよく分からないけど、ちゃんと何をやるのか分かってお金を投じるならいいのかもね。で、数値目標に届かない場合は、軌道修正するってことで。

jun さんのコメント...

そうなんだよね
まあ、この記事を書いた人が誇張している可能性もあるから一概に否定するのはよくないけどね。

確かに日本人は人の目を気にするよね。
問題は何に対してこの人の目を気にすることが有効で、何に対しては有効じゃないかだよね。

そもそも、足立区の治安の悪さの原因はなんなんだろうね?
これを追求することは大切だよね、彼らにとってはさ。
まあ、答えなんてでないだろうから、数値目標で軌道修正には賛成だなー

Yuka さんのコメント...

足立区に長年住んでましたよー。警察のパトロールは年々増えてましたな。特に夜。まぁそこは地元警察と行政の協力ですかね。あとは高い犯罪率が何で占められているのかにも寄って、割れ窓理論の効果って変わるような気もするなぁと。窃盗系なのか、暴力系なのか。(どっちにも結果的には効くのかな?)数年前に警視庁のデータを見たときは、ひったくりとか空き巣の窃盗系が多かった気がします。自転車の違法駐車は結構すごいですよ。とりあえず需要(自転車数)と供給(駐輪場)のバランスは取れてないかな。私営のコインパーキングがいつも満杯なのを見て、「儲かるwのに、なんで行政は自分で作らないのかなー?」と思ったりしとりました。公営もありますが、すでにいっぱいな気がする。あと場所が暗い...。なんで治安が悪いか?...うーん、直接は分からないけど、この前帰ったときに、森田まさのりさんの漫画に出てくるような由緒正しい(?)ヤン.キーのの皆さんを発見して「Oh!フジヤマ!」的にテンション上がってしまいました。写真撮りたかったなー、もちろん望遠でw。わかりずらくてスミマセン...。

jun さんのコメント...

何が足立区の治安を悪くさせたのでしょうね?
歴史的な背景とかもあるのでしょうけど。自転車の違法駐車なんてかわいいものでしょうけど、割れ窓理論を適用するならこれも取り締まらないとですね。割れ窓理論の適用によって住民の体感治安向上感はあがるらしいですけど、費用対効果はどれほどでしょうね?結果が楽しみなところです。

まあ、結果は分からないですけどね。上手くいったときのみ僕達が知ることができるでしょうか。報道されるでしょうから。

 
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